ワンズライフコンパス株式会社
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新型コロナと助成金・その後のテレワーク

  • 1.現状の雇用調整助成金
  • 2.テレワークとその後
  • T. テレワーク導入のプロセスについて
  • U. テレワークと事業場外みなし労働時間制の注意点
  • V. 5月のトピックス

 

 

 

1.  現状の雇用調整助成金


新型コロナに関連して事業が縮小されていて、休業や短時間休業を余儀なくされ、休業手当を支払った場合は、雇用調整助成金を利用し給付が受けられます。

関与先企業様には、状況に合わせてご案内をしておりますが、長引くことになってくると、これから休業等を始められる企業もあると思います。要件やお手続きについては、適時お問い合わせをください。

尚、4月1日以降に実施している休業等に対する雇用調整助成金(一定要件に該当する中小企業)の支給率は10分の9です。ただし1日の給付上限額は8,330円で、関与先の計算をしてみると、休業手当の支払い割合や金額にかかわらず、多くの企業の給付日額は、一人1日8,330円となります。

そこで、4月25日現在、中小企業を対象に、この上限額を引き上げる検討がされているようで、今後さらに拡充される可能性があります。

2.  テレワークとその後


日本経団連は、緊急事態宣言の発令に伴う新型コロナウイルス感染症拡大防止策として、テレワークを導入している企業の割合を調査し、会員企業の97.8%がテレワークや在宅勤務を実施していると発表しました。

調査によると、テレワーク等を導入している企業の中で、実際に実施している従業員の割合は、推計で約66%になるようです。比較的規模が大きい企業においては、テレワーク等が行われていることがわかります。 (調査期間2020/4/14〜4/17経団連発表)https://www.keidanren.or.jp/policy/2020/036.pdf

日本経団連の会員以外の企業でも、現時の緊急事態宣言の発令に伴う感染予防に協力する形で、テレワーク等を行っていますが、実際にやってみると、いろいろな問題点が見えてきていると思います。

こちらには、「在宅で仕事をしているのか疑わしい気がする」、「社員が電話代を負担してほしいと言っている」、「通勤費を全部払うべきか」、「日報が上がってくるが成果がはかりづらい」、「メール等ツールをうまく使えない社員がいる」等の相談が寄せられています。

今回のように、準備時間を取れなかった企業では、運用方法の修正をしながら進めておられます。一方で、そろそろ、これらの問題点を見据えながら、このコロナ後の仕事取り組み方を考えておられる経営者も多いと思います。さまざまな変化があるのかもしれません。

さて、そこでテレワークについて、参考資料の一つになるのは、厚生労働省が用意している「テレワーク導入のための労務管理Q&A集」です。それでは、その中から、いくつか取り上げて紹介します。


T.テレワーク導入のプロセスについて

テレワーク導入のステップを把握する → Aテレワークの目的を明確化する → B全体方針を決定する → C詳細設計(ルール作成・ICT環境整備・セキュリティ対策) → Dテレワーク実施 → Eテレワークを評価・改善する → Aへ戻って繰り返し

以上のステップですが、緊急事態宣言で初めてテレワーク運用を始めているとすれば、次のステップとしては、「Eテレワークを評価・改善する」ところから始めて、改めてA「目的を明確化する」に戻り、目的の見直しを行い、その後のステップを繰り返すサイクルを回していくことになると思います。

U.テレワークと事業場外みなし労働時間制の注意点

労働者が通常勤務する事業場外で勤務をし、事業主が労働時間を計算困難なときは、みなし時間によって労働時間を計算できます。「みなし時間」とは、所定労働時間を労働したとみなすか、所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合には、労使協定で定めたその労働時間を労働したとみなす扱いです。

そこで、テレワークの日は、事業場外みなし労働時間制を適用できるかというと、そうではありません。

例えば次のようなケースでは、事業場外みなし労働時間制とできないとされています。

A) テレワークで使うパソコンを労働者の意思で通信遮断することを認めていない
B) 使用者が応答を求めれば、労働者が即応しなければならない

上記の状況であれば、使っているパソコンやアプリの機能で、労働時間の計算が可能であって、事業場外みなし労働時間制を当てはめることはできません。その場合は、事業主が把握した時間が労働時間となります。現在は比較的緩やかにテレワークを運用されているケースもありますが、平常時に戻れば、労働時間の管理とアプリ導入等の検討が必要だと思います。時間が取れるようでしたら、ぜひご一読ください。

厚生労働省「テレワーク導入のための労務管理Q&A集」は、以下のURLです。

https://work-holiday.mhlw.go.jp/material/pdf/category7/02.pdf


V.5月の実務トピックス

1. 児童手当の料率引き上げ
4月1日から企業が負担する児童手当が0.36%になり、6月1日の納入額からUPします。
2. 労働保険料概算確定申告の準備
6月初め頃までに労働局から封書で申告書が届く予定です。2019年4月〜2020年3月の賃金集計を行っておきましょう。
3. 健診等
協会けんぽは、緊急事態宣言の期間(2020年5月6日まで)健診実施機関で実施する健診等を一時中止しています。今後の状況に合わせて受診の計画をお願いします。