ワンズライフコンパス株式会社 ワンズオフィス社労士事務所 発行人 大関 ひろ美
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有期雇用契約の締結・更新
・雇い止め

 

  1. 有期雇用契約が増えている
  2. 有期雇用契約のトラブル
  3. 契約締結時に更新の有無を提示
  4. 雇止めの予告
  5. 雇止めの理由の明示

有期雇用契約が増えている

従来は、半年などの期間を区切って雇用契約する社員とは、定型業務を中心としたパートターマーやアルバイトを採用するという、臨時補完的な雇用形態でした。では、企業内の社員構成は、昨今どうなっているでしょう。
専門性の高い専門職の契約社員、派遣労働者、販売店では店長にパート店長を採用するなど、基幹社員や年俸社員のなかにも有期雇用契約労働者が多くいます。

これらの雇用契約は、社内の権限・身分などに関わらず、また、契約期間の長さ関わらず、契約期間を区切ることに変りは有りません。
今回は、企業内で増加している「有期雇用契約」の留意点を考えます。

有期雇用契約のトラブル

有期契約労働者の契約更新のトラブルを、こんな労働者から相談されることがあります。
創業3年目のA社に勤務するB氏は、社長の友人で会社立ち上げから、苦労を共にした創業メンバーの一人でした。

専門知識を生かして勤務してきましたが、A社の経営見直しによって、B氏の担当していた職務は撤退が決まりました。2ケ月前に社長から次回の雇用契約の更新をしないと言われましたが、友人でもあるのだから、経営方針を相談されただけだと思っていました。 しかし結局、契約更新がされず途方にくれました。他にもこんな話があります。


○今の雇用契約は、来月切れると判っているけれど、今まで何も手続きをせずに契約更新をしてきたのだから、おそらく次も更新されて、続けて働けると期待していた。


○突然、契約更新をしないと言われても、次の仕事がすぐに見つからないから困る。 確かに少し前に、新しい技術を見につけて能力を伸ばさなければ、次の更新はしないと言われたが、ただの忠告だと思っていた。


○成績を上げているし、勤務態度にも問題がないから、会社には必要な人間のはずだ。


これらは契約の終了に対して、使用者と労働者との思惑の差が生じていますから、何らかの問題が発生する可能性がかなり高い事例です。その原因は、使用者が契約更新手続きを簡略化していたことや、雇い止めの意思が正確に伝わっていないことなどに代表されます。

契約締結時に更新の有無を提示

 有期雇用契約のトラブルが多く見られることから、厚生労働省は基準を策定しています。使用者は、契約の締結時に、その契約更新の有無を明示しなければなりません。契約書に次のような文面を記載し書面で渡すことをすすめます。
○自動的に更新する
○契約の更新はしない
○更新する場合がある

「更新する場合がある」とした場合は、「判断基準」も具体的に明示します。
○契約期間満了時の業務量により判断する
○労働者の勤務成績、態度により判断する
○会社の経営状況により判断する
○従事している業務の進歩状況により判断する など

雇止めの予告

次のいずれかの条件に該当する有期労働契約を更新しないこととする場合は、少なくとも30日前までにその予告をしなければなりません(雇止め告示第2条)。

○3回以上更新をしている場合
○1年を超えて継続して雇用されている場合
ただしいずれの場合も「更新をすることはない」とあらかじめ契約した期間が満了するときにはこの雇止め予告は不要です。

雇止めの理由の明示

使用者は、雇止めの予告後に労働者が雇止めの理由について証明書を請求した場合は、
遅滞なくこれを交付しなければなりません。
また、雇止めの後に労働者から請求された場合も同様です。

明示すべき「雇止めの理由」は、契約期間の満了とは別の理由とすることが必要です。
例えば下記の例を参考にしてください。
・ 前回の契約更新時に、本契約を更新しないことが合意されていたため
・ 契約締結当初から、更新回数の上限を設けており、本契約は当該上限
  に係るものであるため
・ 担当していた業務が終了・中止したため
・ 事業縮小のため
・ 業務を遂行する能力が十分ではないと認められるため
・ 職務命令に対する違反行為を行ったこと、無断欠勤をしたこと等勤務不良のため
   等

また、これらは契約更新をしないときの理由です。契約期間中の事業主からの解雇は、これよりも厳格な「やむを得ない理由が必要ですので、以上の事とは違う判断ですのでご注意ください。」 有期雇用契約労働者の雇用管理の改善に関するガイドライン(リーフレット)はこちらです。 http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/other25/dl/01.pdf