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就業規則の作成・届出・運用

 

  1. 就業規則をなぜ作るのか
  2. 就業規則作成の手順について
  3. 労働基準監督署に届け出る
  4. 規則運用のポイント

就業規則をなぜ作るのか

従業員を雇っていると、想定していなかったような問題が、起こることがあります。問題は、徐々に進行している場合が多いのですが、突然表面に現われて困惑することもあります。


経営者は、「問題を起こした従業員を懲戒解雇することができるか」と判断を迫られることがあります。このとき、解雇の事由と手続きが、就業規則にどう規定され、周知をされているかの確認をすることになります。このように問題が発覚してから、あわてて就業規則を確認することが、少なく有りません。しかし、後から規則を作っても遡及適用ができませんから注意が必要です。
就業規則は、解雇事由なども定めますが、労働時間や賃金等の労働条件や職場の服務規律を定め、文章にしたものです。定めるとともに労使が守って運用することで、従業員が安心して働くことができ、無用なトラブルを未然に防ぎます。

就業規則作成の手順について

作成にあたっては、規則の例文集が参考になることを否定しませんが、その企業にあった規則でなければ、作っただけに終わってしまいます。


1) 第一章の総則の前に1枚、経営者のメッセージとして会社理念・経営方針・従業員に求めるものという観点から思いをまとめた文章を入れることを薦めています。もちろん、文章をかかげただけでは何も実現しませんが、経営者の理念が、改めて明確になりますし、従業員に伝わります。


2) 次に、規定内容の方針を内部で決定します。まず、内容は法令や労働協約に違反できません。1)の企業理念から、どういった社風や、どんな人材を育成したいのかが見えますから、これを実現する人事制度の方針を定めます。ここをしっかりと決めておきたいものです。


3) 適用する範囲を決めます。就業規則は、事業場に働くすべての従業員に適用されます。社員、アルバイトや嘱託など個別に規則を定める場合は、別個に作成し、それぞれの規則の適用する範囲を明確にしておきます。

4) 規定する章を組み立てた後、各条文を作っていきます。労働基準法第89条には、記載する項目が定められていますので、文末に紹介します。これらをわかりやすい順に組み立てていけばよいでしょう。

5) 最後に全体のバランスがとれた規定内容になっているか検討をします。

労働基準監督署に届け出る

事業場で働く労働者の数が、アルバイトなども含めて常態として10人以上であれば、事業主は必ず就業規則を作成し、労働者の意見を聴いて意見書を添え、労働基準監督署に届け出なければなりません。10人未満は届出の義務はありません。しかし、労使間のトラブル防止のために作成をされることをお勧めします。

労働者の意見は、過半数で組織する労働組合の代表の意見を聞くこと、もしくは労働者が自主的に選任する労働者の意見を聞く必要があります。

規則運用のポイント

従業員と事業主の双方を拘束することとなります。内容の周知がされていなかったり、実態に伴っていなかったりすると、かえってトラブルの原因となりますので、実態に沿った内容とする必要があります。

<参考:労働基準法に定められている就業規則記載事項>
*必す記載しなければならない「絶対的必要記載事項」
1 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇。交替勤務の場合は、就業時転換に関する事項
2 賃金の決定、計算及び支払の方法、締め切り及び支払の時期、昇給
3 退職に関する事項 (解雇を含む)

*定めをおく場合には必ず就業規則に記載しなければならない「相対的必要記載事項」
4 退職手当の適用される労働者の範囲、決定、計算及び支払の方法並びに支払の時期
5 臨時の賃金等(退職手当を除く。)及び最低賃金額
6 食費、作業用品その他の負担
7 安全及び衛生
8 職業訓練
9 災害補償及び業務外の傷病扶助
10 表彰及び制裁の種類及び程度
11 以上のほか、当該事業場の労働者のすべてに適用される定め