ワンズライフコンパス株式会社 ワンズオフィス社労士事務所 発行人 大関 ひろ美
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この号の内容

  1. 社有車運転を限定できる?
  2. 交通違反歴はプライベートの個人情報だが
  3. 社有車運転管理規程/誓約書

"個人の情報は、使用の目的を伝えて本人から入手する"

"守るべきルールを規程にして、よく説明して誓約書をとっておく"

社有車の運転する人を限定できるでしょうか

交通事故を起こし他に損害を与えたり、従業員自らが負傷する危険を防止するために、企業は安全運転の整備をする義務があります。ですから運転する人を限定することを考えます。

安全運転の指導を継続することは、いうまでもありませんが非常に大切なことです。しかし、本人の運転上の問題までカバーすることはできないでしょう。
企業がとる対策のひとつは、交通違反歴がある人に運転をさせないことです。

これには、従業員から違反・事故履歴の情報提供を受けるわけですが、個人的な情報については、収集できる情報に制約があります。例えば、

  1. 人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのあること。これらの本人に責任のないこと
  2. 思想及び信条 など本来自由であるべきこと
  3. 労働組合への加入状況

これらの個人情報は、たとえ本人からであっても収集することができません。

ただし指針では、特別な職業上の必要性が存在することその他業務の目的の達成に必要不可欠であって、収集目的を示して本人から収集する場合はこの限りではない(*)。となっており、安全運転に必要だという理由を説明し収集することができると考えるのが妥当です。

*(職業紹介事業者、労働者の募集を行う者、募集受託者、労働者供給事業者等が均等待遇、労働条件等の明示、求職者等の個人情報の取扱い、職業紹介事業者の責務、募集内容の的確な表示等に関して適切に対処するための指針(平成11年労働省告示第141号))。

交通違反歴はプライベートの個人情報だが

交通違反歴は勤務時間外に起こしたものとしたらプライバシーの問題が気になります。しかし、職務上の要請があればその範囲で本人か ら聞いてもよいことを考えれば、情報取得も妥当です。もし従業員が勤務中に社有車で交通事故を起こした時の他者への損害賠償は一定の範囲で事業主にも責任があると考えられています。また、従業員の心身の安全に配慮する義務があると労働契約法が定めています。
ですから勤務時間外に起こした過去の交通違反のことも、本人から申告させることが可能と考えます。

社有車運転管理規程と誓約書の整備

社有車交通事故に一定の事業主の責任があることを考えると、運転に関して守らなければならないことをルール化しておくことが必要です。そして、このルールを確実に守るという誓約をとっておくことが、安全運転の継続と、万が一に備えた企業の危機管理につながります。

規程に定めるべき項目は一般的には次のようなものです。

  1. 規程の目的、定義、責任部署の明確化
  2. 車両整備に関すること
  3. 運転者の資格、運転で守るべきこと
      飲酒や健康管理、睡眠、私有社の使用規制、誓約書提出などの手続きに関すること
  4. 事故の際の連絡や事後処理方法
  5. 損害賠償、費用負担の定め
  6. 規程の改廃、施行日