この号の内容
- PC・スマホ私用の判断しにくさ
- 離席が増えると
- やはり服務規程に
- 配慮すること
PC・スマホ私用の判断しにくさ
就業時間中にウェブ閲覧や電子メールやスマートフォンを業務にまったく関連のない私用の目的で利用している時間は労働時間でしょうか。
あるいは、注意したほうがよいとわかっていても注意しにくいと聞きます。これまである程度は黙認していきたけれど目立つようになってきたので、ほかの社員への説明ができないと不満に思う社員がでてきた。というケースもあるようです。さて、どうしたらうまくいくのでしょうか。
ウェブ閲覧やスマホ等を私用の行為で使っているのであればこれはもちろん、使用者が指揮命令した行為ではありませんから、労働時間に該当しません。
ただしこういった行為は、情報収集が業務に何らかの関連があったり、人脈作りに繋がっていたりすることもありますから、判断しにくい一面もあります。
しかし、ニュースやSNSの新着を待ち受け画面に表示するようにしていると、着信音が鳴るたびにスマホが気になって仕方がないという社員もいるようで、着信するたびに、気が散るようでは仕事に支障がありますし、他の社員の集中力にも影響する職場もあるでしょう。
離席が増えると
こんな例もあります。職務中は私用でモバイル機器を使用してはならない。と就業規則の服務規定に定めをしたら、スマホを持って席を離れる時間が長くなってしまったとか。
さらには、オフィスのとは別の上下の階のトイレの個室にこもって出てこないので、よくよく聞いてみると、スマホで自分名義の株取引をする社員が多いといいます。その会社には、トイレの個室を占有された上下の階の別の会社から苦情が来たそうです。程度問題ではありますが、これでは困ったことになります。
似た類の話では、喫煙ルームに離席する社員のロスタイムの問題もあります。それに加えて喫煙ルームが社内にない場合、屋外で喫煙をして近隣から苦情が来ることも、この例にいた話ではあります。いずれも程度問題です。
やはり服務規程に
労働時間管理の対応策としては、「ウェブ閲覧、SNS等の投稿および電子メールの私的利用を禁止する」ことを就業規則の服務規程に定めて、遵守するように指導をします。また、パソコンで閲覧範囲に規制をかけておくこともよくある対処法です。
他にも、次のような対応があるようです。
・WEBサイトの閲覧状況等の履歴を保存 する
・インターネットの利用状況をシステム上でモニタリング
・インターネットが利用できるパソコンを制限 する
・職場にスマートフォンや私用のパソコンを持ち込ませない
・職場の責任者に任せるなど
ウェブ閲覧等については、実情にあった対応をすることと、あいまいにせずに共通のルールにしておくことが肝要と考えています。
配慮すること
一方で、介護を必要とする家族や、養育が必要な子をかかえて、仕事と両立をしている場合は、その家族と連絡をとることを仕事時間中に認めている企業も多いと思います。
この場合、あまりに頻繁に離席することで支障が出たり、まったくの私用行為と線引きをしにくいところですが、その考え方を整理し社内の共通認識にしておくことと、一定の範囲で家庭の事情を公表しておくことで、だれにでも起こるライフイベントに対応しながら職場の士気も保つことにつながると思います。