この号の内容
- 長時間労働と健康リスク
- 医師による面談
- 産業保健推進センター紹介
長時間労働と健康障害リスク
先月に引き続き労働時間に関するテーマをとりあげます。今回は、長時間労働が健康におよぼすリスクと予防です。
時間外と休日労働時間(以下は、時間外等といいます。)が長くなるほど、業務と脳や心臓疾患の発症との関連性が高くなると言われています。
まず、時間外等 を命令するには、時間外等の36協定を締結し届け出をする必要があります。現在は、「労働時間の延長の限度等に関する基準」というものがあり、月では45時間以下にすることが指導されています。その45時間を超えると、徐々に業務と脳や心臓疾患の関連性が高くなると言われています。厚労省は、次のような図を示しています。
加齢によるものや、生活習慣によるもの以外にも長時間労働は健康に影響を及ぼすということを、改めて認識したいものです。
医師による面談
労働安全衛生法では、脳や心臓疾患の発症を予防するために、長時間労働の実績があって疲労の蓄積を自覚する労働者から申し出があれば、医師による面談を実施することを事業主に義務付けています。
また、面談の対象にならない労働者についても、脳や心臓疾患の発症を予防する観点から、医師の面談やこれに準ずる対策を講ずるよう努力が求められています。
産業保健推進センターの紹介
50人未満の事業所は、産業保健について対応をする際に、なかなか手が回らないことがあります。長時間労働者の申出による医師面談はじめ、50人未満の事業所の事業主と労働者は、地域産業保健推進センターを無料で利用することができます。東京都の場合、次のような項目が利用でき、相談であれば基本は2回まで無料で、その後は外部関係先を紹介してくれるそうです。
・健康診断項目について
・健康管理やメンタルへスルの対策の進めた方について
・長時間労働者及び高ストレス者に対する面談指導
・登録産業医による事業場訪問による指導ほか
各地域の産業保健総合支援センターがホームページ等を開設しており、事業所がある地域のセンターを調べることができます。
東京産業保健総合支援センターはこちら→http://www.tokyos.johas.go.jp/index.html