休暇関連の指針が改正されました
- 初めに
- 労働時間等設定改善指針の改正ポイント
- 育児・介護休業指針の改正ポイント
はじめに
主に休暇に関する指針が平成29年10月1日に改正されましたので、概要をお知らせします。
今回改正になるのは、指針(ガイドラインと表現されることもあります)であり、労働法ではありません。指針とは、各省庁が考えていることを告示するものと言われており、法令等のように実行義務が課せられているものではありません。
しかしながら、指針で考えを周知し、その後の法改正につなげていくことが、これまでにもありましたので、企業の実情に合わせて、できることから取り入れていくことが肝要です。そして、特に採用で苦労している企業では、有給休暇等を法定よりも有利に付与することが、労働条件のアピールのひとつにできると思います。検討をしてみてはどうでしょうか。
労働時間等設定改善指針の改正ポイント
@有給休暇の初回付与を早める
労基法では、入社6か月後に8割以上出勤した社員に初回の有給休暇(10日)を付与することが義務付けられています。今回の改正では、この法定基準の6か月後の付与日を待たずに初回付与日を早める検討をすることを求めています。
取り入れる事例としては、入社日に1日付与し、入社2か月の初日に1日プラス付与、3か月の初日にプラス1日付与・・・と付与していくと6か月の初日にはすでに5日間付与したことになります。そして、6か月経過時点では法定の10日間付与は変更がありませんから、10日に足りていない5日間を付与するという方法があります。
指針では、仕事と生活の調和や、労働者が転職により不利にならないようにという趣旨から、入社6か月を待たずに有給休暇を付与することを推し進めています。
Aキッズウィーク等への対応
地域の実情や子供の学校の休日に合わせて、労働者が有給休暇を取得しやすいように配慮を求めています。
(私は、やや記憶から薄れていましたが、)政府は、平成30年4月からキッズウィークを設定する方針を示しています。学校の夏休みや冬休み等の長期休業日を都道府県や市区町村単位で、夏や冬休みではなかった他の月に連休を作り出す方針だそうです。今後この施策が決まってきたら、働く人も子供の休日に合わせて有給休暇を取りやすくする配慮を求めています。
B裁判員等の休暇の不利益扱い禁止
公民権の行使または公の職務の執行をする労働者に休暇制度を設けなければなりませんが、休暇を取得したこと等により、解雇その他の不利益な取り扱いをすることが禁止されています。
育児・介護休業指針の改正ポイント
育児・介護休業法では、子の看護休暇と介護休暇は、労使協定をすることによって入社6か月未満の労働者は取得できない労働者にすることができます。しかしながら、6か月未満の労働者にも一定の日数が取得できるようにすることが望ましいことに配慮すること。が指針に追加されました。〇〇に配慮するということ。という控えめな表現にとどまっています。
検討事例としては、1の@の有給休暇のように、入社日に1日、入社2か月の初日に1日プラス、3か月の初日にプラス1日・・・と段階的に認めていくことが考えられます。
詳しくは、厚生労働省のリーフレットでご確認ください。
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000179177.pdf