T.現状の雇用調整助成金
新型コロナに関連して事業の縮小を余儀なくされ、休業や短時間休業で対応しながら、休業手当を支払った場合は、雇用調整助成金を利用し給付が受けられます。
中小企業を対象に、この上限額が1日1万5千円に引き上げられます。4月1日からの休業に遡って適用される見込みです。すでに支給決定を受けた企業の手続き等は今後公表されます。このほか、手続きが簡素化されていますので、最新情報は下記の厚労省ページで確認できます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html
U.オフィスの新型コロナ感染予防ガイドライン
全国で緊急事態宣言が解除されました。テレワークを継続するか、一方で出社が始まる企業もあります。出社においては、対応を考えておられると思います。新型コロナ感染症に関連して、これまでにも提言をしている日本経済団体連合会は、5月14日に、「オフィスにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」を発表しています。
このガイドラインは、個々の業界や事業場の実態に応じた感染予防対策を行う際の参考になるものとして発表し、それぞれで工夫をして取り組んでほしいとしています。オフィスで行う対策について、具体的な表現を用いて書かれていますので、出社を検討する際のオフィス運営を考えるときに参考になると思います。( )は私の感想を加えてみました。
また、このガイドラインにも書かれていますが、新型コロナ感染症については、感染症の動向や専門家の知見等を踏まえて、適宜見直ししながら予防策を講じていくことになると思います。
- 1. 従業員の健康確保
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- 従業員には、出勤前に感染を疑われる症状がないか確認させ、体調が思わしくない従業員には各種休暇制度を推奨する。(毎朝検温を促すことは簡単にできる良い習慣だと思います。)
- 発熱症状などで自宅療養を行うことになった従業員が、症状がなくなり出社判断を行う際には学会の診断基準などを参考にする。医師や保健所に相談する。
- 2. 通勤
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- テレワーク、時差通勤、ローテーション勤務、変形労働時間制、週休3日制度などで通勤頻度を減らし、公共交通機関の混雑緩和を図る。(テレワークのメリットがあった会社は、月に回数を決めて継続することもご検討ください)
- 自家用車通勤ができる従業員には、通勤災害の防止に留意しつつこれを承認することが考えられる。
- 3. 勤務
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- 従業員が、できる限り2メートルを目安に一定の距離をたもてるような配置に最大限見直しを行う。
- 手洗いを徹底する。
- 勤務中にマスクの着用を促す。
- 飛沫感染防止のため、座席配置を広々と配置し敷地の対対面座席配置をさけ、対角や横並びにする工夫をする。(スペースがあれば、オフィスの配置を変えることは比較的実行しやすいですね。狭い場所では、デスクにつけるパーテーションも有効です。)
- 説明会や面談などはオンラインの実施も検討する。
- 会議を対面で行う場合、マスクを着用し、換気に留意する。椅子を減らしたり机に印をつけるなど、近距離や対面にならないように配置する。
- 4. 従業員に対する感染予防策の啓発等
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- 厚生労働省の「人との接触を8割減らす、10のポイント」、「新しい生活様式実践例」を周知するなどの取り組みを行う。
- 新型コロナウイルス感染症から回復した従業員やその関係者が、事業場内で差別されることのないよう、周知啓発し、円滑な職場復帰のための配慮を行う。
【参考ページ】
このほかに休憩・休息スペース・トイレ・施設や器具に関する記載もあります。経団連のホームページをご参照ください。https://www.keidanren.or.jp/policy/2020/040_guideline1.html
厚生労働省の参考情報ページは下記のURLをご参照ください。
「人との接触を8割減らす、10のポイント」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00116.html
「新しい生活様式実践例」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_newlifestyle.html
V.6月の実務トピックス
- 1. 労働保険料概算確定申告
- 6月初め頃までに労働局から封書で申告書が届く予定です。今年は申告の期日が8月31日に延期されています。
- 2. 社会保険算定基礎届
- 6月中旬頃に年金機構等から封書が届く予定です。2020年4月〜2020年6月に支払った賃金を確認しておきましょう。
- 3. 賞与
- 6月・7月に賞与の支払いがある会社は、支払いの後に年金機構等へ賞与支払い届を提出します。