ワンズライフコンパス株式会社 ワンズオフィス社労士事務所 発行人 大関 ひろ美
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この号の内容

  1. マー君は有期雇用契約ですか?
  2. 有期雇用契約の無期転換見直しか
  3. その他最近の動き

”有期雇用契約される人の無期転換申し出に特例をもうけると、65歳で第二定年を設定する必要はなくなる"

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"平成25年4月の法改正は、有期雇用契約者の雇用の不安定を解消する趣旨だった。今回の検討もその趣旨は変わらない"

マー君は有期雇用契約ですか?

 1月23日の報道によると、野球選手の田中将大さんが、ニューヨークヤンキースに入団することが決まったそうです。その大型契約金が報道されました。また契約期間は7年と長いのですが、5年目以降は田中の意思で新しい契約を結び直したり、FAになることが可能なオプトアウト条項が盛り込まれたそうです。

 さて、日本国内のプロ野球選手というと、一軍で活躍する選手の多くは1年契約で年俸を交渉し契約しているようです。もしプロ野球選手が日本で7年契約を申し入れれば、法律上なにか問題でしょうか。労働法関連で考えれば、労働者として労働基準法等の規定に該当するのでしょうか。そうであれば、労働基準法は、雇用契約の上限を3年(一定要件の人は5年)を上限としています。ただし、プロ野球選手の働き方は、雇用契約と考えられていません。

 このように、日本のプロ野球選手は労働基準法の労働者とされていないと考えてよいと思いますので、雇用関係ではないですから、「有期雇用契約」の上限規制の影響はありません。よって、交渉によっては長期契約ができるわけです。ただし、シーズンの活躍結果や所属会社の経営状況を見て1年間程度の「契約交渉」をしているのが現状のようです。よって7年間契約という長い契約は、通常あまりないようです。

 一方で、今は野球解説者の古田さんが選手会長となり、労働組合活動を認めさせたのは、2004年のことで記憶されている方も多いと思います。労働組合法は、労働基準法や労働安全衛生法などよりも広く労働者の定義を用意しており、プロ野球選手の団体交渉権が認められたとされています。

有期雇用契約の無期転換見直しか

 話は労働契約法に移って、現在の有期雇用契約のルールでは、平成25年4月以降に契約した有期雇用契約が5年を経過すると、労働者は、次の雇用契約は「期間を区切らない無期雇用契約」に転換することを申し入れることができます。

 現在、厚生労働省の労働政策審議会では、その無期転換申し出ができる対象から一部を除外しようとする検討が進められています。
 代表的な除外範囲は、大学や研修所の研究員や、企業定年後に継続雇用をしている人です。この人たちに限っては、有期雇用契約をして更新しながら雇用する一定の要件の労働者については、別の管理ルールにしようということが議論に上がっています。

 有期雇用契約をひとくくりにするのではなく、一定の人たちを特例にするのは、転換申込みルールがあることが雇用の安定になってるかどうかを見直すものです。

 もしくは、無期雇用転換ルールがあることによって、5年を過ぎる前に雇止めで契約更新を打ち切られる恐れがあり、結果として雇用の不安定な環境につながるのではないかという問題を回避しようとするものです。

 また、たとえば、専門技術が高く収入が多い人は、有期雇用契約でも使用者とある程度同じ土俵で契約交渉できるということも理由にあげることができると思います。

 そして、高年齢者については、企業が定年後に継続雇用をする場合、多くの会社が1年の有期雇用契約をしています。そこで、5年間で無期転換申込みが発生するために例えば、定年が60歳の場合、雇用継続後の65歳に2回目の定年を決めているという状況があります。定年が2回あるのは年齢に関係なく働ける社会をめざす方向性にそぐわないことを考慮し、高年齢者の雇用継続で働く人たちは、無期転換申込みルールから除外することも検討されています。

 有期雇用の無期契約転換見直しの対象者とその範囲として検討すべき点につて、厚生労働省のホームページの資料を引用すると下記の通りです。

〈高度専門労働者〉
・「一定の期間内に終了すると見込まれる事業の業務に就く労働者」の具体的な範囲について、どう考えるか。
・「高度な専門的な知識、技術又は経験」の具体的な範囲について、どう考えるか。
・「年収が常時雇用される一般の労働者と比較して高い水準となることが見込まれる者」の具体的な範囲について、どう考えるか。
・その他

〈高齢者〉
・高齢者(特に定年後継続雇用されている高齢者)を対象にすることについて、どう考えるか。
・その他

資料引用*労働審議会平成26年1月14日
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000034682.pdf

今後の動きを見守っていきたいと思います。

その他最近の動き

1.出産時の社会保険料負担軽減が始まります

    

 産前産後休暇中の社会保険料負担がなくなります。対象は、平成26年4月30日以降に産前産後休暇が終了になる人から。負担をしないためには、書類提出が必要ですので、お忘れなく。

2.協会けんぽの介護保険料がUP見込み

 平成26 年度の介護保険料率については、1.55%から1.72%に引き上げ見込みです。