この号の内容
- 健康管理 進める 広げる 職場から
- 最近の傾向
- 災害事例を周知で発生を防ぐ
"「事故には必ず原因がある」現場管理の経験が長い顧問先の社長から教わりました"
労働衛生週間に危険予知!
健康管理 進める 広げる 職場から
10月1日から10月7日までは、全国労働衛生週間です。
多くの場合、職場の業務災害は運が悪くて起こるのではなく、理由があって発生していたり、同じ理由で何度も繰り返していたりすると思います。この機会に社内の労働安全を見直し、健康で安全に働く環境を整えるきっかけにしていただきたいと思います。
全国労働衛生週間は、今年で第64回となります。企業の自主的な労働衛生管理活動を通じた労働者の健康確保に大きな役割を果たしてきました。
最近の傾向
我が国の業務上疾病の被災者は長期的には減少してきたものの近年は横ばいとなっており、昨年は7,743人と前年からわずかに減少しました。
また、自殺者は平成24年は15年ぶりに3万人を下回りましたが、約2,500人が勤務問題を原因・動機の一つとしているようです。メンタルヘルス上の理由により休業又は退職する人がいること、精神障害等による労災認定件数が前年比約1.5倍となり過去最高を記録したこと等から、職場におけるメンタルヘルス対策の取組は依然として重要な課題となっています。
さらに昨年には、化学物質を使用していた印刷現場にて、高い頻度で胆管がんが発生していた事案が判明しました。このような化学物質による健康障害等の防止のため、化学物質を取り扱うすべての事業場において、職場における自律的な化学物質管理の徹底が改めて課題となっています。
災害事例を周知で発生を防ぐ
業務における災害は、いつどのような原因で起こっているのでしょうか。
安全情報センターでは、第三次産業の「労働災害事例」と、事故になったかもしれない「ヒヤリハット事例」を分析して、ホームページ上で公開をしています。
大きなけがにつあながりかねないヒヤリとした事例を改めて認識しておくことによって、未然に防げる事故が多くあります。そこで、今回は3つの事例を紹介します。この事例は調理接客の事例ですが、一般の事業所でも起こりうる事故ですから注意を呼びかけていただきたいと思います。
@調理場の濡れた床で足が滑り転倒しそうになった(一般例では雨の日の入り口や屋外などに注意が必要です)
午前8時30分頃、病院内厨房で沸騰した湯を入れた鍋を移動しようとしたところ、濡れた床で足が滑り転倒しそうになったが、とっさに鍋をはなしたため火傷をまぬがれた。
A接客業でビールケースを積み下ろす時に腰をひねった(一般例ではコピー用紙等の運搬)
午前12時30分頃、業務用ビールケース(大瓶20本入り)11ケースを、ワゴン車から積み下ろす際に腰をひねった。特に異常はなかった。
Bまな板上の包丁が跳ね、手が切られそうになった(一般例ではハサミやカッター等に注意が必要です)
午前10時頃、寿司ネタの製造中、まな板が作業台に貼り付いて動かないので、力を入れて引っ張ったところ、まな板上に置いてあった包丁が跳ねて手が切られそうになった。
他の事例については、下記URLの中央労働災害防止協会安全情報センターのページでご覧いただけます。イラストはコピー使用できますので、ワードなどで社内の安全教育資料を制作するときに使えます。どうぞご利用ください。
”窓を閉め切る季節は、職場の寒気が必要です。"