この号の内容
- 来年の計画年休制度を
- 政府の労働時間削減の取り組み
- 有給休暇推進_新聞報道より
来年は計画的付与で年休消化を
社員に計画的な休みを取ってもらい、リフレッシュしていい仕事をしてもらいたい。でも繁忙期に休みを予定されるのも困ったものだ。そのように考えておられる経営者には、現在の法律の運用でも、有給休暇の取得を推進する方法があります。年次有給休暇の計画的付与と呼ばれるものです。
各従業員の有給休暇のうち5日を超える部分については、労使で話し合ってあらかじめ取得日を決めておくことが法律で認められています。
この計画付与を導入しても、年間5日分については、社員が自由な時季に請求することができます。
導入するには、就業規則に規定することと、労使協定が必要です。また、運用する際には、入社から6か月が経過していない社員にも休みを与えるなど要件があります。労使協定では計画的に休む日程を協定しますから、来年1月から運用をするのであれば、ちょうど今から取り組むのがよいでしょう。
そして、計画的付与をすることは就業規則にも規定をします。当社のホームページでも規定等の文章事例を紹介しています。こちらを参照ください。
有給休暇の取得率をアップするには→ http://www.1s-of.com/labor_management/labor_12.html
政府の労働時間削減の取り組み
厚生労働条の審議会(10月4日開催)で配布された資料によると、働く時間を短くしようという動きがあります。
「日本再興戦略」改訂2014(平成26年6月24日閣議決定)の「働き過ぎ防止のための取組強化」や、6月に「過労死等防止対策推進法」が成立したことを受けて、長時間労働対策の強化を始めたとのことです。
具体的には、大臣を本部長とする「長時間労働削減推進本部」を設置し、長時間労働対策について、取り組むようです。
主な取り組みは、次のとおり。
・長時間労働が認められる事業等へ監督を実施
・11月1日に過重労働解消ホットラインを実施
・11月14日過労死防止のシンポジウム実施
・行政が時間削減に取り組む企業を訪問た後事例を紹介
・有給休暇取得を推進
労働時間削減に取り組む必要性と項目が書かれている資料を張り付けておきます。資料画像をクリックすると、PDFが拡大されます。
また、現在の裁量労働制を使いやすいものにするかどうかや、ホワイトカラーエグゼンプションについても内容を検討していくとのことです。
有給休暇推進_新聞報道より
10月3日の日本経済新聞によると、厚生労働省は企業に対して社員の有給休暇の消化を義務付ける検討に入ったとのことです。新聞の内容では、現在は、法定の有給休暇付与日数が消化率47%にとどまっているため、消化するように企業に義務付ける労働基準法改訂を2016年春スタートを目指すとのことです。
実は、厚労省のホームページ等で関連する記載を見つけおりませんので、詳細は不明ですが、今後の動きに注意をしたいと思います。
”有給休暇を取りずらい職場では、休んでも支障が出ないようにするために、まず日頃の生産性をアップする組織的な取り組みが必要ですね。”