この号の内容
- 組織図を作っていますか
- 人事管理に活用できること
- 気が付くこと
組織図を作っていますか
初めて訪問する企業で、人事管理の色々なご相談を受けるとき、組織系統図を見せてもらうことが多いのですが、組織図をお持ちでしょうか。
人事管理を考えると、仕事の指示や評価または有給休暇を誰に申請したらよいかなど、上から下へ意思決定や承認、下から上への提案・報告が日々行われています。
また意思決定においては、5人くらいの組織であればその場で話し合って物事を決めていけますが、所帯が大きくなると、迅速判断し効果的に運営するための意思決定と伝達・実行それに伴う責任の所在を明確にする必要があります。
こうしたことから、組織図を作成することは重要です。社外に出す資料でなければ、取り合えずワードの図形を利用してもいいと思います。
レイアウトは縦型か横型が多いでしょう。図1は、上下に伝達することを示します。横型の図2も伝達を示しますが、問題分析のツールの例あるとにも使えることを考えると、組織が問題解決するために動いていることをよりよく示せるレイアウトだと考えています。
人事管理に活用できること
この組織図は人事施策を考えるいろいろな場面で使います。また、組織図に表して整理できることがたくさんあり現状を把握分析できます。では、代表的なものを挙げてみます。
項 目 | 着目点・メリット |
---|---|
指揮命令系統・職務分担 | 意思決定と伝達・実行がスムーズを行える組織体系になっているかどうかを俯瞰でき組織運営が明確になる |
勤務時間管理 | 部署ごとに勤怠管理や所定勤務日が異なる場合、所属メンバーの勤務実態が部署のルールにあっているか確認できる |
人事評価 | 指示を出す人と人事評価をする人が同一か、または適正な範囲で運営されているか確認できる |
役割・役職 | たとえば各部署に部長を配置しているか等、役割と役職が妥当で、部署間のバランスが適正かなど把握できる |
要員計画・人事処遇の確認 | 部署の要員配置が適正かどうかを把握できる。また部署ごとに手当等が異なる場合、適正な処遇をしているかを確認できる |
気が付くこと
私が訪問先の企業様に訪問し、もしまだ組織図がなかったときは、聞き取り祖しながらその場で手書き作成することがあります。
その結果、同じ部に所属をしていながら、他の部長から仕事の指示を受けていたり、就業規則でその部署に定めた所定労働日と違う曜日を所定労働日として働かせていたりすることがわかることがあります。その場合は、プロジェクトを立ち上げてプロジェクトの間は所定労働日を設定するか、正式に部署間の人事異動を正式に行うことを提案します。 目に見えるように整理することで、現状の不都合がわかってくるものは、たくさんあると思いますが、この組織表はその良い一例だと思います。